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素晴らしい建築を紹介。
ちょっぴり気持ちが豊かにできれば。

2013年5月25日土曜日

フロントン・レコレトス/エドュアルド・トロハ ~あらゆる理由を満たした合理解~

僕の好きな建築のひとつ、
エドゥアルド・トロハの「フロントン・デ・レコレトス」をご紹介。


トロハはマドリッドの構造デザイナーで、
コンクリートシェルをつかった直感的な形態をつくることで知られている。

日本ではあまり名前を聞かないが、キャンデラやネルヴィなどと
ともに評される素晴らしい構造家である。





大小ふたつのヴォールトの組み合わせた大空間。
それぞれ弦の端部がスカイライトとなっている。


大きなヴォールト屋根の下は競技場エリア。
小さなヴォールト屋根の下は観客席エリア。
形態と絡み合った合理的かつ知的なゾーニングである。






スカイライトは2つのヴォールトに統一されたルールとして、
単に美学的であるばかりでなく、
客席からスカイライトが逆光にならない構成となる。






ヴォールトがブツかり合っているところは、
反力で互いに支え合っているのでしょうか?

そうであるなら競技場という無柱空間を成立させた
構造的な合理性の意味も極めて大きい。



ひとつのアイデアが多種多様の意味をもつ。
単純なかたちの組み合わせが複雑な効果を生み出す。

これはそんな類まれなる建築として
いまなおその美しさを失わない。





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