伊東豊雄の初期作「笠間の家」
勾配天井と多様な壁の見え方に
バリエーションが与えられていて愉しい。
曲面壁と勾配天井の関わり。
この関係は変化を与えられながら、建物の端まで伸びていく。
天窓が効いている。
射しこむ光も曲面に沿って繊細に流れる。
最奥部の寝室は2段の小あがりになっている。
目線が上がることで見え方が変わる。
ダイニングの風景。
緩やかにひねった袖壁が空間を分かち、
光と風の質と量そして機能を詩的にコントロールしている。
左の黒部分は裏方空間、トイレ。
右の白部分表向空間、書斎。
黒いパネル壁には水周りや収納などのサービス部が
収められるというルールで建物内に統べられている。
リビングの風景。
明と暗のコントラストの大小や濃淡で
各スペースの性格と関わりを語ることができる。
用いられている素材の種類が少ないがゆえに、
この建物はモノクロに見える。
…にも関わらず、そこには静溢なジェントルマンというよりは
なんだか多弁な青年のような振舞があり、
なんだか上手く言い表せないけれど、素晴らしいと感じた。
0 件のコメント:
コメントを投稿